日本呼吸用保護具工業会

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  • 保護具着用管理責任者の選任
  • 呼吸用保護具の適正な選択、使用及び保守管理の推進
  • 電動ファン付き呼吸用保護具の活用

呼吸用保護具を適正に着用し粉じん障害を予防しましょう!

第10次粉じん障害防止総合対策に示される
粉じん障害防止のための呼吸用保護具に関連する実施事項

厚生労働省は粉じん作業に従事する労働者の粉じん障害を防ぐために第10次粉じん障害防止総合対策(推進期間令和5年度から令和9年度)を策定し、事業者が労働者を粉じん障害から守るために講ずべき措置を示し推進しています。

本総合対策の重点事項の一つとして「呼吸用保護具の使用の徹底及び適正な使用の推進」が示されています。防じんマスクや電動ファン付き呼吸用保護具などの呼吸用保護具の着用は業種や職種を問わず労働者の粉じんばく露防止に有効です。

このページでは「呼吸用保護具の適正な選択及び使用の徹底」について呼吸用保護具に関わる実施事項をまとめました。呼吸用保護具を適正に着用し、粉じん障害から身体を守りましょう。

第10次粉じん障害防止総合対策の重点事項

「呼吸用保護具の使用の徹底及び適正な使用の推進」に示される実施事項

1. 保護具着用管理責任者の選任(令和6年4月1日施行)

  • (1)保護具着用管理責任者とは
    事業者に指名された者で、保護具について適正な選択、適正な使用、保守管理について管理する者です。指名と選任については「労働安全衛生規則第12条6」及び「基発0525 令和5年5月25 日防じんマスク、防毒マスク及び電動ファン付き呼吸用保護具の選択、使用等について」に示されています。
  • (2)保護具着用管理責任者の選任について
    ・事業者は保護具に関する知識、経験等を有する者から選任します。
    ・事業者は保護具着用管理責任者を選任すべき事由が発生した日から十四日以内に選任します。
    ・事業者は保護具着用管理責任者に対し、保護具の適正な選択、適正な使用、保守管理の業務をなし得る権限を与えなければなりません。
    ・事業者は保護具着用管理責任者の氏名を事業場の見やすい箇所に掲示すること等により関係労働者に周知させなければなりません。

2. 呼吸用保護具の適正な選択及び使用の徹底

  • (1)保護具着用管理責任者の選任及び呼吸用保護具の適正な選択と使用等の推進
    (令和6年4月1日施行)
    事業者は、リスクアセスメントの結果に基づく措置として、労働者に呼吸用保護具を使用させるときは保護具着用管理責任者を専任し次に掲げる事項を管理させなければいけません。
  •  ア 保護具着用管理責任者が実施する事項

    保護具着用管理責任者が実施する事項の詳細は基発0525令和5年5月25 日防じんマスク、防毒マスク及び電動ファン付き呼吸用保護具の選択、使用等について」に示されています。

    • ① 呼吸用保護具の適正な選択に関すること
    • ② 労働者の呼吸用保護具の適正な使用に関すること
    • ③ 呼吸用保護具の保守管理に関すること
    • ④ 特定化学物質障害予防規則第36の3の2第4項等で規定する第三管理区分に区分された場所において呼吸用保護具でばく露対策を行う場合の個人サンプリング測定等による特定化学物質の濃度に応じた有効な呼吸用保護具の選択とフィットテストの実施と記録に関すること。
    • ⑤ 第三管理区分における特定化学物質作業主任者の職務(呼吸用保護具部分に限る)について必要な指導を行うこと。
    • ⑥ 化学物質管理者の下、呼吸用保護具を着用する労働者に対する有害物質の種類、発散状況、濃度、作業時のばく露の危険性の程度等の教育を行うこと。
    • ⑦ 取扱説明書等に基づき適正な装着方法、使用方法及び顔面と面体の密着性の確認方法について十分な教育や訓練を行わせること。
    • ⑧ 安衛則第577条の2第11項に基づく有害物質のばく露状況の記録の把握と、ばく露状況を踏まえた呼吸用保護具の適正な保守管理を行うこと。
  •  イ 保護具着用管理責任者が実施する事項の実施方法
    • ① 呼吸用保護具の選択、使用、顔面への密着性の確認等に関する指導に関すること
    • ② 労働者の呼吸用保護具の適正な使用に関すること
      「基発0525 令和5年5月25 日防じんマスク、防毒マスク及び電動ファン付き呼吸用保護具の選択、使用等について」を参照してください。
    • ③ 呼吸用保護具の保守管理に関すること
      ご使用の製品の取扱説明書に従って行ってください。
    • ④ 特定化学物質障害予防規則第36の3の2第4項等で規定する第三管理区分に区分された場所において呼吸用保護具でばく露対策を行う場合の個人サンプリング測定等による特定化学物質の濃度に応じた有効な呼吸用保護具の選択とフィットテストの実施と記録に関すること
      ・個人サンプリング測定等による特定化学物質の濃度に応じた有効な呼吸用保護具の選択については令和4年厚生労働省告示第341号を参照してください。
      ・フィットテストの実施と記録はJIS T 8150を参照してください。
    • ⑤ 第三管理区分における特定化学物質作業主任者の職務(呼吸用保護具部分に限る)について必要な指導を行うこと。
      「基発0525 令和5年5月25 日防じんマスク、防毒マスク及び電動ファン付き呼吸用保護具の選択、使用等について」を参照してください。
    • ⑥ 化学物質管理者の下、呼吸用保護具を着用する労働者に対する有害物質の種類、発散状況、濃度、作業時のばく露の危険性の程度等の教育を行うこと。
      化学物質管理者に従い実施してください。
    • ⑦ 取扱説明書等に基づき適正な装着方法、使用方法及び顔面と面体の密着性の確認方法について十分な教育や訓練を行わせること。
      ご使用の製品の取扱説明書に従って行ってください。
    • ⑧ 安衛則第577条の2第11項に基づく有害物質のばく露状況の記録の把握と、ばく露状況を踏まえた呼吸用保護具の適正な保守管理を行うこと。
      「基発0525 令和5年5月25 日防じんマスク、防毒マスク及び電動ファン付き呼吸用保護具の選択、使用等について」を参照してください。
  • (2)その他、特筆事項
    • 顔面とマスクの接地面に皮膚障害がある場合等は、漏れ率の測定やご使用の製品のメーカー、若しくは保護具アドバイザー※に相談することなどにより呼吸用保護具の適正な使用を確保しましょう。

      ※保護具アドバイザー = 公益社団法人日本保安用品協会が実施する「保護具アドバイザー養成・確保等事業」によって養成された者

☆「呼吸用保護具の適正な選択、使用及び保守管理の推進」についてのご質問ご相談はご使用の製品のメーカーへお問い合わせください。

3. 電動ファン付き呼吸用保護具の活用

  • (1)電動ファン付き呼吸用保護具を活用しましょう

    電動ファン付き呼吸用保護具は粉じん則などで特定の作業に労働者を従事させる場合に着用が義務付けられていますが、その性能の高さから着用が義務付けられている作業以外においても活用が推奨されています。

  • (2)電動ファン付き呼吸用保護具の形状

    電動ファン付き呼吸用保護具は様々な形状の製品があります。用途に合わせて適したものを選択し使用しましょう。
    電動ファン付き呼吸用保護具の選定のお問い合わせは日本呼吸用保護具工業会会員会社へお問い合わせください。

    面体形

    ルーズフィット形

  • (3)じん肺が発症した時の電動ファン付き呼吸用保護具の活用

    じん肺法20条の3の規定ではじん肺管理区分が管理二又は管理三イである労働者について、粉じんにさらされる程度を低減させるため、就業場所の変更、粉じん作業に従事する作業時間の短縮その他の適切な措置を講ずるよう努めなければならないと示されています。

    電動ファン付き呼吸用保護具の使用は、防じんマスクを使用する場合と比べて、一般的に防護係数が高く身体負荷が軽減されるなどの観点から、じん肺法20条の3の規定により「粉じんにさらされる程度を低減させるための措置」の一つとして使用することができます。

4. ずい道等建設工事における粉じん障害防止対策

    ずい道建設工事の以下の作業で使用する呼吸用保護具は粉じん濃度等に応じた有効な電動ファン付き呼吸用保護具(大風量形)に限られます。選択の仕方は令和2年厚生労働省告示265号を参照します。

  • ・動力を用いて鉱物等を掘削する場所における作業
    ・動力を用いて鉱物等を積み込み、又は積み卸す場所における作業
    ・コンクリート等を吹き付ける場所における作業

     使用に当たっての留意点
    ・予備の電池の用意すること
    ・休憩室での充電設備の備え付け等を行うこと